当センターは、昭和61年の設立以来、水産基盤整備事業等(漁港、漁場、海岸、漁村づくり)の実施主体である地方自治体等(都道府県、市町村、漁協)の技術的なサポートを行ってまいりました。
現在、水産分野を見ると、サンマ、イカ、サケ等の不漁の⻑期化、ウクライナ侵攻等の影響による燃油の高騰、ALPS処理水問題を契機とした日本産水産物の輸入規制強化など、水産業界を取り巻く状況は厳しさを増し、解決する兆しを見せていないのが現状です。
また、地方自治体においては、行政改革等により土木技師をはじめとした技術職員不足が顕在化しており、最近では、地球温暖化に伴う集中豪雨やスーパー台風の発生、並びに、能登半島地震の発生など、漁業活動の根拠地である漁港漁村の存続が危ぶまれる被害も生じております。
さらには、地球温暖化防止の観点から温室効果ガス削減を目指すとの国の方針の下、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備促進だけでなく、海水中に溶け込む二酸化炭素を海洋生物の作用により効率的に吸着・固定する(ブルーカーボン)技術の開発やカーボンニュートラルに取り組むための社会実装の活動を推進することが重要となっています。
これらの水産業や漁港漁村を取り巻く状況変化を踏まえ、当センターでは、主に次の点に寄与できるよう業務に取り組んでまいります。
①
被災地の復旧・復興支援
②
被災時に支援を行う災害復旧支援協定の全国的な締結促進
③
直轄漁港漁場整備事業や技術者不足の市町村等への発注者支援
④
施設の長寿命化対策や磯焼け対策、サンゴ増殖、ブルーカーボンに係る調査研究の推進
⑤
漁場施設の設計や効果調査における最新技術の導入
⑥
漁業操業実態調査に基づく調和のとれた洋上風力発電施設の整備促進への協力
⑦
水産工学技士養成など技術者の育成
最後に、今後とも、当センターが皆様方の不安や疑問等を解消する機関となれるよう努力するとともに、震災からの復旧及び水産基盤整備事業等の円滑な実施を通じ、水産業並びに漁港漁村地域の復興・発展に努めてまいりますので、関係自治体等の皆様におかれましては、当センターへのご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。
理事長 吉塚 靖浩
国連海洋法条約の発効により新しい海洋秩序が形成され、我が国200海里水域内における水産資源の適切な管理によって消費者ニーズに合致した水産物の安定供給を図ることが従来にも増して重要となっております。そのため、水産基盤整備事業(漁港・漁場・漁村づくり)においては、事業の効率性・透明性の確保を図りながら、水産動植物の生息環境の積極的な保全と創造に資する漁港漁場づくり、安全で使いやすい漁港づくり、豊かで活力のある漁村づくりなどが求められています。また、海岸保全事業においても高潮対策の強化や人と自然が共生する豊かな海岸環境の創造が重要になっています。
当センターでは、このような水産基盤整備事業や海岸保全事業の効率的な実施に資するため、次の3つの主たる事業目的を達成すべく努力しております。
そのほか、会員への各種新情報の提供、資料送付を行うとともに、会員からのどのような要望にも応えられるよう努めています。
当センター設立の契機は、「水産公共工事を適正に行うために、市町村が監督業務等を安心して委託できる機関が必要」」という1983(昭和58)年における行政管理庁の勧告を受けて、
という3つの主たる事業を行う公益法人を設立する必要があるという発起がなされたことによるものです。
この発起は、民法第34条に基づく社団法人として設立することで関係者の全国的合意が得られたので、1986(昭和61)年4月16日設立総会を開催し、翌17日に農林水産大臣へ設立許可申請を行い、1986(昭和61)年4月23日付け農林水産省指令61水港第1134号にて農林水産大臣の許可を受け、当センターが正式に発足しました。
その後、業務の効率化を図るために平成6年4月1日より松江市に支所を開設し、平成17年4月1日より長崎市に支所を開設しました。
また、公益法人制度改革に関する法令に基づき、一般社団法人への移行許可申請書を平成24年8月29日に内閣総理大臣あてに提出し、平成25年3月19日付け府益担第4148号にて許可を受けました。そして、同年4月1日付けで登記を行い、一般社団法人に移行しました。
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