魚礁効果診断システム

概要

魚礁の設置効果の算定に当たっては、多くの場合、操業日誌や漁業者からの聞き取りに依存していることから、効率的な漁場整備の観点から、魚礁の効果算定の精度向上が求められております。
本システムは、サイドスキャンソナー、小型GPSデータロガー等の最新の技術を活用し、魚礁の設置状況を正確に把握するとともに、それを関連情報とともにパソコン上で容易に可視化でき、さらには魚礁の設置効果を定量化・貨幣化できる総合的なシステムです。

システムの構成

本システムは、①長期間の記録が可能なGPSデータロガー、②専用の速度解析ソフト、③GIS版魚礁台帳による多角的な情報管理技術、④サイドスキャンソナーによる精密な魚礁探査技術といった最新技術を用い、次のような流れで魚礁効果の診断を行うものです。

(1)GIS版魚礁台帳の整備
サイドスキャンソナーにより正確な魚礁設置位置・状況を把握し、関連情報とともに、データベース化し、パソコン上で可視化します。

(2)漁船位置情報の自動取得
小型GPSデータロガーを漁船に搭載し、時刻と位置情報を一定時間ごとに長期間自動取得し、専用の速度解析ソフトにより操業場所と操業時間を特定します。

(3)魚礁の効果、CPUEの評価
漁協の協力により得られる水揚実績を操業時間で按分することにより、魚礁または漁場ごとの水揚量、水揚額、CPUEを算出します。

活用方法

(1)魚礁の管理運営、効率的・効果的な整備のためのデータベースとなり、省力化を図ることができます。
(2)漁業者に魚礁設置状況を正確に周知でき、利用の促進を図ることができます。
(3)魚礁設置効果の定量化・貨幣化が可能となり、原単位(魚礁の空㎥あたりの年間増加生産量)を精査可能です。
(4)CPUE(単位努力量(操業時間)当たりの漁獲量)を算出できます。

当センターの業務実績

平成21年度の長崎県下での実証試験を皮切りに、実施中も含めて現在まで17件。

実例(長崎県)